昨年の今頃、私は英国オックスフォードの空の下にいた。
もうあれから1年もたつのか、という感慨とともに、
最近英国暮らしを懐かしく思い出すことが多くなった。
先日、テレビで映画「ナルニア国物語」をみた。
初めて観る映画だったけれど、郷愁の想いを呼び起こさせた。
そう、このぶっちぎりの英国ファンタジー「ナルニア国物語」は、オックスフォード大学教授C.S.ルイスが書いた物語。そこかしこに、英国らしさ、オックスフォードの空気感が散りばめられているのである。
オックスフォードは学問の街であると同時に、「不思議の国のアリス」「ナルニア国物語」「ロードオブザリング」が生まれたファンタジーの街でもある。三作品ともこの街に学ぶ学者が紡いだ物語だ。私はオックスフォード大学に在学していた父と共に、昼間は大学へ、夜はパブへと、にわか大学生のような生活をしていた。昔からほとんど変わらないであろうこの街で、まるで彼らの生きた青春と同じような幸せな時間を過ごし、オックスフォードという街の魅力を心ゆくまで味わっていた気がする。
この街には、なんというか時空間を越えてしまうような、なんだか不思議な雰囲気があるのだ。昼下がりの街角で、あるいは古いパブの柱にかかる掛け時計を見て、はたまた夜9時過ぎにゆっくりと沈みゆく太陽を眺めながら、私は不思議な想いにとらわれたものだ。この街のもつ歴史(市制1000年!)がそうさせるのか、自然と共存するがゆえなのかよく分からないのだけれど…。
ところで、ファンタジーって何なのでしょう。
万年、地に足つけない生き方をしている私は、おまえの人生はファンタジーそのものだろ!とつっこまれそうだけれど(笑)、
「ここではないどこか」…その思いが私に力と希望を与えてくれている。
言ってみれば、ファンタジーとは「究極の旅」だろうか。
私は人生にファンタジーがないと生きていけないような気がする。
まぁ、結局ファンタジーはファンタジーであって、現実に戻ってこなきゃいけない時もあり、
「これはファンタジーなんだ」と自分に言い聞かせたりもするけれど、
それは別物として、人生の大切なエッセンスといおうか…。
(嗚呼、このあたりでもうニヤニヤしている友人達の顔が浮かぶ・・・)
そんなこんなで、最近ファンタジーについて考えております。
前述した本を片っ端から読んでみようかな?
現実逃避ともいうかもしれないけれど(笑)