KHP弾いてきました!!

9月21日、初KHP(ピアノ付ステージリハーサル)、無事終了しました!
この日、指揮者がコンツェルトハウスにオケ練に行ってしまっていたので、指揮者なしでのリハーサル。
心細く、不安に思っていると、なんと、ルグリ監督が、
「Shino, I’ll stay with you.」と言って、オケピ前に来てくださり、
「テーマとヴァリエーション」のリハーサル中、ずっとそばにいてくださりました。
普通、監督は客席のど真ん中で舞台全体を観るものなのです。
だけど、新人の私一人にオケピを任せるのは不安だったのでしょう(ごめんなさい!笑)
しかも、「幕が上がったら合図するから弾き始めてね」とか細かく教えてくれて。
ルグリがずっとそばにいてくれて、私は安心して落ち着いて弾くことができました。
次の日、ルグリに「昨日はどうもありがとう」とお礼を言うと、
「シノにとっては初めてのことばかりでしょ?僕もサポートしたいと思っているよ」と
笑顔でおっしゃってくれました。
こんなに優しい監督のもとで仕事ができて、幸せですね。
KHPは滞りなく終了。
自分としては反省点もあるのですが、
リハーサルを聞いていた同僚たちには、「シノ、よかったよ。まさか全部の音を拾って弾いているのか?クレイジーか?信じられない!その小さな体のどこにあんなエネルギーが!」と口々に言われました(笑)
チャイコフスキーの交響曲をピアノ一本で弾くのは本当に大変だったのですが、
最後の華やかなポロネーズを弾いている時は、もう本当に楽しくて幸せで!
ここへきてよかったなと。
まだまだ未熟ですが、この経験を明日への糧に、これからも頑張ります。
$こころの音色
記念すべき初KHPの日に、ウィーン国立歌劇場オケピから見た風景。
次は、お客さんで溢れた劇場のオケピでピアノ弾いてみたいな(夢は大きく!笑)

はやいもので

ウィーンに来て、一ヶ月がたとうとしております。
仕事が始まってから3週間がたち、生活のペースも徐々にできてきました。
基本的には、とりたてて問題もなく、新生活を楽しんでいます。
これはひとえにまわりの方々のおかげ。
特に3人のピアニストの同僚(大先輩です!)がとてもよくしてくださり、いつも助けられています。
仕事のこと、音楽のこと、生活のこと、英語、ドイツ語、、、、
いつもたくさん教えてくれて、たくさん話をしてくれて。
同僚というより、保護者?家族?(笑)
そんな恵まれた劇場生活をスタートさせたわけですが、
日々の仕事について、少し書きたいと思います。
バレエ団では、毎日いろんな演目のリハーサルが平行しておこなわれています。
今週金曜日にプレミエを迎える、バランシン「ストラヴィンスキーヴァイオリンコンチェルト」、ロビンス「グラスピース」、ロビンス「インザナイト」バランシン「テーマとヴァリエーション」、
フォルクスオパーで上演される、パトリックドバナ「マリーアントワネット」、
10月プレミエの「ラシルフィード」…
ダンサーもスタッフもフル稼働ですね。
私はどの演目も初めてなので、とにかく皆さんの足を引っ張らないよう、毎晩リハーサルが終わったあとに、ピアニスト部屋にこもって、ひとり黙々と練習。
日本でもわりとこんな風に生活していたので、それを特別なこととは思っていないのですが、
こちらでは特異な日本人気質に見えるのでしょうか、、
「なんでそんなに練習するの?」と聞かれること多々。。。
「あなたはすごく上手に弾けているのに。そんなに練習する必要ないよ」と…。
劇場内は特に防音が施されておらず、私の夜練は夜な夜な劇場内に響き渡っているらしく(笑)
「今の自分の演奏に満足していないから。完璧に弾きたい」といっても、
「完璧なんて目指さなくていいんだよ。シーズンは長い。もっと力をセーブしなさい」と言われる。
それもそうなのですけどね。完璧に弾くことがすべてではないし。
でも、精一杯やる、のが日本人気質なんでしょうね(笑)
さて、実は今週、私の夢がひとつ叶います。
金曜初日の「バランシン&ロビンス」公演の舞台稽古(KHP)で、ピアノを弾くことになったのです!
私は新米なので、当初は舞台稽古のピアノなどという責任重大任務を負う予定ではなかったのですが、
10日ほど前に、リハーサルでの私のピアノを聞いていた先輩ピアニスト氏が「この演目、舞台稽古はシノが弾けばいい」と言ってくれて、急遽私に変更!!
劇場で働く以上、当たり前の業務ではあるのですが、実はこれはバレエピアニストとしてのひとつの夢でした。
昔、オペラの舞台稽古では弾いたことがあるのですが、バレエのKHPは弾いたことがなかったのです。
初めてのKHPを、ウィーン国立歌劇場で!!
責任重大だけど、すっごく楽しみです。
曲は、チャイコフスキーの管弦楽組曲3番。バランシン振付「テーマとヴァリエーション」です。
これ、ピアノで弾くと、ものすごく大変なのですが、本当に素敵な曲。
今日もメトロノームかけながら、同じパッセージを鬼のように練習していたら、
「アーユークレイジー?」と言われましたが、気にしない(笑)
やっぱり不安要素はひとつでもなくしておきたい。
主役二人も初役で、とても大変な踊りを全うするため、毎日真剣勝負。
(主役を踊るリュドミラは、「シノ、まだ帰らないの?まだ弾くの?」と、よく私の部屋を訪ねてきてくれる、彼女も夜遅くまで一人で練習しているがんばり屋さん!)
よい舞台をお届けできるよう、ダンサーの支えになれるよう、私も頑張ろう。
ということで、次回は、KHPレポートをお届けしたいと思います!

2011/12シーズン開幕しました

ウィーン国立歌劇場2011/12シーズン、9月3日に開幕しました。
シーズンオープニングの演目は、プラシドドミンゴ主演「シモンボッカネグラ」。
着飾った人々で溢れた劇場は、一気に華やぎ、
$こころの音色
お客様も劇場も、みんな嬉しそう。
劇場の外には大きなスクリーンが設置され、オペラがライブ中継されます。
$こころの音色
こちら外野席(笑)
$こころの音色
風に吹かれながら、ワインやビール片手にオペラのライブを観るのも楽しそう!
私も、こちらで一幕だけ観ましたよ。
その後、自分の楽屋に戻り、モニターをつけつつ、仕事をしていたのですが、
モニターから流れてくる音楽のあまりの熱演っぷりに、見いってしまうこと数十分(笑)
$こころの音色
このマエストロモニターが終演後はこんなことに(笑)
$こころの音色
ピアノを弾きながらモニターを見ている私ですら、拍手するくらいですから!
ああ、こんなだったら、客席にいけばよかったと後悔するほどでした。
初日から6月まで毎日こんな調子では、仕事になりませんね!
とはいえ、シーズンオープニング公演を迎え、
私も舞台を創る一員として、背筋が伸びる思いがしました。
再来週には、バレエもプレミエ公演を迎えます。
数作品同時進行、私にとってはどれも初参加というのは非常に大変なのですが、
この日のようなお客様の笑顔と拍手を楽しみに、頑張ります。
日々のリハーサル、仕事については、また改めて。
では、今週も一週間、頑張りましょう!