仮ぐらし生活三ヶ月

海外生活には、トラブルがつきもの。なのでしょうか。
10月初め、私の部屋から水漏れしている、と階下の住人から連絡がありました。
どうやら、浴室の壁の中の水道管に亀裂が入っているらしく…。そのおかげで、全く水が使えなくなり、知人にお風呂を借りたり、洗顔も歯磨きもシャワーも劇場で済ませる、というハードな生活を強いられていました。ちょうど、くるみわりのプレミエの頃だったかな。さすがに、ここに住み続けるのは無理、ということで、大家さんが仮住まいのアパートを用意してくれました。
浴室全面リノベーションのため、一ヶ月から六週間、と言われていた筈が、気づくと、三ヶ月経過。
…これがオーストリア体質か。洗礼、受けてます(笑)
ただ、私にとって良いこともあって、それは、仮住まい邸が劇場に近いこと、なかなか素敵なおうちだということ。
せっかくなので、ご紹介。
書斎

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リビング2

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キッチン

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寝室

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どの部屋のシャンデリアも素敵だけど、寝室のが一番好き。繊細なガラス細工。

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夜、この灯りのもとで本を読むのが至福の時間。
玄関ホール

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こういうお部屋に住めるのも、人生でなかなかあるものではないかな、と、それなりにこの生活を楽しんでいるのですが。
実はここにはインターネットと洗濯機がない!
両方、生活に欠かせないもの。
まあ、ネットはiPhoneがあるからまだ良いとしても、洗濯が大変。
下着類、小物類は、この三ヶ月間ずっと手洗いし、大きなものは知り合いの家で洗わせてもらっていました。
休みの日に、洗濯をさせてもらってお風呂に入らせてもらって、お食事もご馳走になって…優しい友人ご夫婦には本当に感謝。同僚達も皆、助けてくれて。海外生活では、本当に人の優しさが心にしみます。
今日はコインランドリーなるものを使ってみようかと、初めてコインランドリー屋さんにやってきました。
このブログ、洗濯の待ち時間に書いています(笑)
ああ、この生活はいつまで続くのかな。何かと不便なことも多いし、早く元の家に戻りたいような、交通の便の良さに慣れてしまって、もう元の家には戻れないような…
日本にいた時から、一箇所に定住することがなかった私ですが、こちらでも、その運命は変わらないようです。どうしてだろう(笑)

夢と希望を打ち上げる、ウィーンの年越

ウィーンの年越は盛り上がる。
大晦日、ウィーン国立歌劇場のこうもり公演は、正装の紳士淑女で溢れかえり、舞台も客席も夢のような世界が繰り広げられていた。
劇場横のカラヤン広場では、大スクリーンによるライブ中継も。
二幕、オルロフスキー公のディナーの特別ゲストに、アグネスバルツァが登場して、カルメンともう一曲(曲名分からず)歌い、客席も大喜び。その興奮のままに、乾杯の歌、なのである。
ああ、これぞウィーン。
ウィーンに住んでみて分かったのだけど、こうもりは、隅々までウィーンらしいディテールに溢れていること。
台詞の掛け合いや、この馬鹿馬鹿しさも含め、ウィーンの文化なのだ。
三幕、フロッシュ看守が監獄のカレンダーを31から32にめくったのをちゃんと確認(これを見ないと年越せない!笑)してから、私は劇場をそっと抜けて友人とのディナーに向かった。
年越蕎麦を食べず、ホテルでシャンパン片手にニューイヤーイヴディナーを頂くなんて、初めての経験。
私たちは、街全体が花火大会になるニューイヤーの瞬間を味わうべく、プラーター公園近くの高層階にある友人のオフィスに急遽向かうことに。
この日、ウィーンでは誰でも何処でも打ち上げ花火を上げられるので、街じゅうが花火大会に。なんて派手なお正月!

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去年初めて味わった時はあまりの音と光におののき、ウィーン大空襲でも起こったか、と思ったほど。

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花火に埋れるプラーターの観覧車。

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煙だらけで、もはやよく見えない(笑)
日本の静謐なお正月も好きだけど、ど派手に祝福するウィーンの年越も楽しい。夢と希望がある。
2013年、すべての人にとって素晴らしい年になりますように。
Alles Güte zum Neujahr !!!