究極の一期一会

オペラのオーディション伴奏仕事が終了しました。
モーツァルトの「ドンジョバンニ」全キャストオーディション。
初めて弾く曲が大半を占め、その上リハーサルなしのぶっつけ本番。
舞台上で「初めまして」が二十数人。これは、究極の一期一会でありますな。
多分、受験生の誰よりも「ドンジョバンニ」を知らない私(汗)
初めて弾く曲ばかりでも、立場上事故を起こすわけにはいかんのです。
この10日の間、地方に4日行きつつも、ドンジョ一色でした。
楽譜と台本を読みふけり、CD・DVDを四六時中流し潜在意識に刻み込み、道を歩いていても呪文のようにイタリア語をぶつぶつつぶやき、自宅では気がゆるむ為仕事の合間にスタジオにこもって練習してきました。
私はオペラ作品を自分のものにするのに結構時間がかかる方です。
音楽・言葉はもちろん、キャラクター・背景・解釈・哲学なんかも気になるタチなのです。
今回は時間がないんだから、とりあえず音楽を体に入れりゃあいいのに、濃いキャラクター達が気になって文献を手にとり、練習遅々として進まず(笑)
幸か不幸か、タイミングよくドンジョバンニばりの事件も勃発!
ドンナエルヴィラのアリアに涙したり(そんなシンクロいりませんから!笑)
※ちなみに、ドンジョバンニは世界中二千人の女性と肉体関係をもつ色男の話。
ドンジョバンニと、彼と関係する三人の女性とその婚約者たちの話である。
それにしても、モーツァルトの音楽ってなんて凄いんだろう。
私、彼の時代に生きてないけど、響いてくる音はまさにリアル。
今回は私に焦りがあったこともあって、近づいたり、離れたりの一喜一憂だったけれど。
でも面白いこともありました。
今朝、降ってきたのです!
モーツァルトが現代に生きてたら、こんなピアノ弾いたんじゃないかな?
志野meetsモーツァルト☆アドリブまくりのドンジョバンニファンタジー(脱線しすぎ。だけどいつか発表したい笑)
そんなこんな、山あり谷ありながら迎えたオーディションの日。
結果から言うと、自分に及第点はあげられませんでした。
事故はなかったものの、自分の言葉としての音楽には至れなかった。
やるだけのことはやったけどね。これが今の私の実力。
悔しいから、明日からもまたドンジョバンニを研究しよう!
でもね。素敵な瞬間もたくさんありました。
喋ったこともない人と、たった3分程度、誰よりも濃い時間を共有する。
あ!今!!
モーツァルトが来てたら、にやって笑ってるね!って瞬間もあったりで♪
幸せでした。
一期一会の出逢いと機会に感謝です!
そんなわけで、新横浜駅前のホテルのバーで一人打ち上げ、のちタクシーで帰宅。
贅沢だけど、たまにはいいよね。儲かったし(笑)
ねえみんな。仕事って楽しいですよね。
真剣に向かいあえば向かいあうほど。
一筋縄ではいかないけど、山とか谷とか絶景とか見ながら、前に進んでいけるんだね。
よし、今夜はとことん飲むぞー!!!
(既に飲んだくれ日記でございますが笑)