早いもので、もう8月になりましたね。
バカンスが始まって1ヶ月。
ウィーンにとどまっている同僚はほとんどいないなか、
私は毎日ここで何をしていたかというと、語学学校に通っていました。
去年5月末にウィーン国立歌劇場からオファーを頂いてから渡欧までの3ヶ月弱、それはもう怒濤のような慌ただしい日々で、言葉を覚える暇はどこにもなく、「もういい!ドイツ語は現地入りしてからだ!」と、ほとんど挨拶しかできぬままにウィーン入りしてしまったのです。
ウィーンに来たら来たで、今度は仕事をこなすのに精一杯。初めての海外暮らしで、英語で仕事をするのすらやっとこさ。ここのカンパニーはドイツ語を母国語とするダンサーは1割いるかいないかくらいで、英語(かロシア語)を話す人が多いので、一年たってもドイツ語はあまり上達もせず。
でも。せっかくウィーンにいるなら、ウィーンなまりの粋な(田舎くさい笑)ドイツ語をモノにしたい。というわけで、バカンス返上、ようやく本腰を入れてドイツ語を勉強することにしたのです。
オペラ座の向かいにあるドイチュアカデミーで、10人のクラスで勉強。教科書とノートを広げて勉強するなんて、もう何年ぶりだろう。これが実に楽しかった。
ペンケースのファスナーをシュッと開ける音だったり、毎日数本の鉛筆を削って整えたり。ノートをいかに美しく解りやすく取るか工夫したり。予習復習したり。
もうこれは、失われた青春時代の再来。純粋な勉強の為の日々。
クラスメイトは、イラン、韓国、チリ、メキシコ、ロシア、コロンビア、ハンガリーの人たち。
人種のるつぼ。私から見ると、みんな結講優秀で、冠詞もぽんぽん答えられる。
自分のできなさ加減に落ち込むことはあっても、とてもいい刺激になりました。
先生にも恵まれました。私は二日目からは、先生に一番近い席を陣取り、解らないことはなんでも質問。なぜ?なぜ?をぶつけまくっていました。授業は、オールドイツ語で進められるので、もちろん難しいし、少し気を抜くと他の惑星での会話のように全く理解不能になるのだけれど、うんうん考えて前頭部が痛くなったりするのも心地よい痛み(笑)
ほんの一ヶ月足らずだったけど、我ながらこの進歩は凄かったと思う。ブンダバー語学学校!
ドイツ語、素敵な言葉だなと思います。もっと聞いていたいし、喋りたいと思う。
クラスメイトたちに「シノのドイツ語は、歌っているみたいに聞こえる」と言われて。
それは、褒め言葉なのか笑われているのか微妙なところだけど(笑)
ドイツ語を話すのが楽しくて。ああ、もっと話したい!笑
シーズンが始まってしまうと、仕事と勉強の両立は難しい。けれど、知る喜びを実りにする為にも、前向きに頑張ろう。
そして8月。いよいよウィーンをあとにして、日本に旅立ちます。
その前にヘルシンキに立ち寄り、フィンランド国立バレエ団を訪ねてきます。
フィンランド国立バレエの、とっても素敵な日本人プリンシパルさんにお会いする、初北欧旅、楽しみ!!