私は行き詰まるとベランダに出る。
ベランダは私のオアシスだ。
私の住むマンションの9階には、とても心地いい風が吹いていて。
眼下には新緑の街路樹がきらきら輝いている。
椅子を持ち出してきて、今日はベランダでお茶。
至福のひととき。
お隣りさんからピアノの音色が聞こえてくる。
隣りに住んでいる男の子はまだ15歳だけれど、とてもピアノが上手で、
ショパンのスケルツォや、ラフマニノフの「音の絵」なんかをバリバリ弾く。
そして驚くほど練習熱心だ。弾けないパッセージを果てしなく繰り返し練習する。ピアノを嫌いな人が聞いたら、きっと気が狂うであろうこの繰り返し!
誰だって、どんな難局だって、打破する為必要なのは小さな積み重ねなのだと、私は15歳の少年のピアノに救われていたりする。
しかし、いい風だ。
今日は美しき五月晴れ。
こんなGWも悪くない。