舞踏会開演前篇に続き、いよいよ、オペラ座舞踏会オープニングの様子をお伝えします。
普段は2200人のキャパのウィーン国立歌劇場に、この日は5000人超のお客様が来場。
しかも、ボックス席は100万円近くの値がつけられているので、
ボックス席以外の客が、この華やかなオープニングショーを観るのは至難の業…
前日におこなわれたゲネラルプローベで全篇観てきたことだし、
私たちは、結局楽屋のテレビで見るのがいいのではないか、と話していました。
スポーツ観戦と同じ感覚で(笑)
しかし実際、客席から見てちょうど正面、舞台奥一列目に場所を取ることができたのです!!
一列目からの眺め。圧巻。
なんという特等席!!!期待が高まります。
ファンファーレが鳴り響き、オーストリア国歌(初めて聞きました…)に続き、
ベートーヴェン第九の歓喜の歌(欧州連合(EU)の歌に指定されているそう)が奏され、
いよいよ、デビュタント達の入場です。
オペラ座舞踏会のメインは、なんといっても、このデビュタント。
今年、社交界にデビューする若者のお披露目の場が、このオーパンバル。
オーストリアではオーパンバルのデビュタントを小さい頃から夢見ている子達も多いみたい。
私もオーストリアに生まれていたら、間違いなく目指しただろうな(笑)
入場直前のデビュタント達。
輝かしく、希望に溢れた顔が眩しい。
大きな拍手で迎えられて。
そして、デビュタント達が全員入場したら、次はバレエ。
ハチャトリアンの仮面舞踏会、ヨハンシュトラウスのポルカ2曲にのせて。
私も稽古につきあっていたので、
この一瞬だけの本番をしっかり味わい、胸に刻みつけました。
そして、劇場専属ソロ歌手によるオペラアリア
(ムゼッタのアリア、ドンジョバンニのアリア、メリーウィドウから二重唱)。
オーケストラはもちろんウィーンフィル。
ここでふと気づきました。
このオーパンバル、オーストリア国主催の唯一の催しにもかかわらず、
スピーチや挨拶、司会進行などが何もない。芸術だけで進行される祝典。
日本ではちょっと考えられないような。
一瞬一瞬、すべてを楽しめるし、粋だし、さすが芸術の都だな、と思った次第です。
バレエとオペラが終わったら、いよいよ、デビュタント達の踊り。
全員でポルカを踊り、
オーストリア第二の国歌、「美しき青きドナウ」にのせて、
ワルツがお披露目されます。
デビュタント達がワルツを踊り始めた途端、会場中から盛大な拍手。
この瞬間が本当に感動的で。私なんて前日のゲネプロから涙を流していたほど。
(ゲネプロなら去年も見たのに!笑)
皆の夢が叶う瞬間。なんて、なんて美しい国なんだろう。
そして、「Alles Walzer !!」のかけ声とともに、
皆がホールに躍り出て、デビュタント達と共にワルツを踊ります。
ちなみにオーパンバルでのワルツは左回り。右回りと違い、左回りのワルツステップは難しい。
幼い頃からワルツを踊って身体にしみついているウィーンっ子、しかも、オーパンバルに来るような人たちのなかで、即席特訓してもらった私なんて気が引けて踊れない、と思っていたのはどこへやら、我先にとホールに出て踊っていましたよね(笑)
舞踏会での記念すべき初ワルツを一緒に踊ってくれたオリー、ありがとう!!
踊っていたというか、美しき青きドナウを一緒に歌っていたというか!笑
舞踏会に行って喉がかれるとか、おかしいでしょう!
楽しくて楽しくて、幸せ過ぎました。
(ちなみに、左手薬指に指輪が光っているオリーですが、結婚はしていません、彼女もいません、、
あとはご想像にお任せします笑)
時既に、23時を回っていますが、
ここから、飲んで踊って笑って、飲んで踊って笑って、
ウィーンの不夜城での宴は、朝5時過ぎまで続くのでした。
続く