私がインターネットに文章を綴るようになって10年。
日常や小さき軌跡、その時々の想いを残し、誰かと共有することで、たくさんの恵みを頂き、いつしか私の人生に欠かせないもののひとつになりました。しかし、時は移ろうものなのでしょう、いつの頃からか、以前書いていたブログが今の気分にそぐわなくなり、持て余し気味になってしまっていました。そんな折に再会した旧友、ベルリン在住イラストレーター、高田ゲンキ氏、高田美穂子氏夫妻。お二人が指南してくれて、この度、新しくブログを開設することになりました。あれよあれよという間に、旧ブログからの引越業務も済み、いつの間にか新しいブログが出来上がっていたのです!デジタル音痴な私はほとんど何もしておらず、まるで瞬間移動したような感覚…。私一人では何もできなかった。新たな始まりという光を与えてくれた、デジタル最先端の優しき友人に感謝します。
というわけで、こちらでは、はじめまして。
これから、より自由に、より深く。
何かを残し、また、ここから生まれるものがあれば、と願っています。
あらためまして、よろしくお願いします。
さて、街に可憐な花が咲き乱れ、青空広がる春爛漫のウィーン。劇場では今週、バレエ”Tanzperspektiven“公演が上演されています。私はこの公演でバッハピアノ協奏曲1番を弾かせて頂いています。これを演奏するのは、1年半ぶり8回め。もしかしたら、これが最後かもしれない。でも、すべての瞬間は、最初で最後。今日と同じ明日は来ないのですよね。
同時上演される、チャイコフスキーヴァイオリン協奏曲を弾くのは、劇場が誇るコンサートマスター、フォルクハルト・シュトイデ氏。公演前日には稽古場でダンサーの為に協奏曲を弾いてくれたのですが、彼の演奏のあまりの豊かさに、ウィーンにいる幸せをひしひしとかみしめてしまいました。どうして私は、こんな音楽家と一緒に働けているのだろう。
私も、彼のように、愛と光に満ちたバッハを弾けますように。誰かの愛と光になれますように。
最終公演は、明日21日、ウィーン国立歌劇場にて19:30開演です。