ジゼル

先月のことですが、Kバレエカンパニー「ジゼル」公演を観てきました。

昨年、初めてKの「海賊」を観て以来、とても好きなカンパニーだったので、

私の一番好きな演目である「ジゼル」公演を楽しみにしていました。

ジゼル役は、松岡梨絵さん。

真に迫る演技、踊りが素晴らしく、ジゼルの気持ちが痛いほど伝わってきました。

裏切られて死んでしまってもなお、彼のことを嫌いになれないジゼル。

裏切られても恨むことなく、精霊たちから彼を護ろうとするジゼル。

成就することのない恋なのに、踊ることをやめられない二人・・・。

愛と悲しみと互いへのいたわりに満ちたパドドゥは、

最後には昇華され、同時にジゼルの想いも昇華される。

ジゼルを永遠に失ってしまったアルブレヒトは、生涯苦しみ続けることになる、と私は思っていたのですが…。

彼の人生にジゼルが現れ、愛を知ったことで、もしかすると逆に救われるのではないか、

と初めてそんな風に思いました。

(松岡さんの解釈では、ミルタもまた、ジゼルの愛に触れ、初めて救われるのだそうです)

「ジゼル」は悲恋だけれど、深い愛の話なのだと。

いろんな気持ちが胸に押し寄せ、私は客席でボロボロに泣いてしまいました。

その涙は、悲しみでもありましたが、幸せなものでもありました。

深い愛を持ったジゼルの生き様に触れ、私も救われたのかもしれません。

私も、ジゼルのように、愛に満ちた人になりたいです。

音楽とともに