「エスプリ」とは

昨夜観た、新国立劇場バレエ団「コッペリア」公演。

主役キャストは、タマラロホ、ホセカレーニョ、ルイジボニーノ。

なんとも豪華なこのキャスト。

本当に贅沢です。

特に、タマラロホ、ルイジボニーノのお二方の踊りは、

なんとも小粋で、繊細でオシャレ。

これぞ、ローランプティだなぁ、とうっとりしました。

ローランプティの振付は、ともすると、ただ可愛く楽しいだけの踊りになってしまうのですが、

うまいダンサーが踊ると、振付の魅力が輝きます。

なんというか、エスプリに溢れているんですよね。

はて、エスプリとは。

タマラさんとルイジさんの踊りを観ていて、こんなことを思いました。

エスプリを定義づけるのは難しくとも、「エスプリ」に必要な要素なら、いくつか挙げることができそうです。

知性、洗練、勇気、色気、洒落っ気、ユーモア、余裕、間合い、

そして、愛情・・・。

なんというか、大人の魅力なんですよね。

日本人が体得するには、ちょっと難しい、「エスプリ」。

ローランプティの作品には、そういったエスプリ精神が溢れているのだと思いますが、

お二方の踊りからは、それらの要素が美しくブレンドされて、こちらに漂ってきました。

ホセさんも、本当に素晴らしく、大好きなダンサーなのですが、

彼は彼色だったかもしれません。。

でも、それがまた、素敵だったのですけれどね^^

この作品の中で、私が一番好きなシーン。
それは、ルイジボニーノさん演じるコッペリウスが、

人形のコッペリアとワルツを踊るシーンです。

本当に美しく、楽しく、夢溢れる踊りでありながら、ちょっぴり切ないシーンです。

片想いの男性のロマン・・・そのようなものを感じてしまいます。

そして、その直後、スワニルダが人形に扮してでてくるところで、アッと息を呑みました。

タマラさん、コッペリアの人形に本当にそっくり!!!

体型や顔のかたちも元々似ているかもしれませんが、佇まいがそっくり!

少しずつ動き出すところも、まさに人形のようで、驚きました。

タマラさんの本拠地である、英国ロイヤルバレエのオペラハウスがあるコベントガーデンでは、

常に人でにぎわっていて、芸人達が愉快なストリートパフォーマンスを披露しています。

そこで人気だったのが、全身を銅色に塗って銅像のフリをしているパフォーマー。

本当の銅像?と思うと、少しずつ動くんですよね。

タマラさん、ストリートパフォーマーになれます。

もしかしてコベントガーデンで研究されました?もうデビュー済み?(笑)

さすが、演技派ですよね。

本当に楽しませてもらい、普段はあまり言わない「ブラボー」を何度も叫んでしまいました(笑)

ゲストのタマラさん、ホセさん、ルイジボニーノさん、

お疲れさまでした。そして、ありがとうございました。

また是非是非、新国立劇場にいらしてくださいね。