パリ祭のエネルギーに満たされた夜

フランスで、一年で一番大切な日。
それは、なんといっても7月14日の革命記念日でしょう。
パリ祭の数日前から、パリじゅうにトリコロールの国旗が飾られて、お祭りモード。
軍の飛行機も低空飛行していて、その爆音に、劇場の中にいた私たちもびっくり。
マレ地区も。
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シャンゼリゼ通りも。
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パリ祭近づくこの日、パリ在住のソプラノ歌手、まやこちゃんとデートしました。
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まやこちゃんとお会いしたのは、2011年3月10日、震災前日の彼女のお誕生日パーティー以来。
相変わらず美しいまやこちゃん。
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あの日からいろんなことが変化して、
お互いこうしてヨーロッパに暮らすようになって、
ウィーンとパリ、ちょっとご近所さん気分でこんな風にまた会えたこと、とっても嬉しくて。
まやこちゃんもこの日のことをブログに書いてくれていました。ありがとう。
ちなみにこれ、彼女のブログで私が遊んでいた、Japanese Duster「HATAKI」笑
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説明がきに「日本の各家庭にはハタキがある。ポジティブなエネルギーをもつプロダクツ」って書かれてる。わーお!笑
そして迎えた7月14日。パリ祭当日。
この日は日曜日だったので、仕事は休み。
二週間慣れない場所で仕事してきた疲れもあって、特に予定もたてず、夕方までホテルでゆるゆる。
シャンゼリゼでは朝から盛大に軍事パレードが行われていたらしいです。
パリに来てから知り合った、パリ在住の日本人女性Yさんが花火に誘ってくれて。
ホテルまでお迎えにきてくれ、二人でモンパルナスまで歩き。
地元の人たちと、道路にひしめきあいながら座って。
フランス革命のエネルギーに感動しつつ、
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フランス人、立って花火を見ている人への「座れ!座れ!」のシュプレヒコールが激しく(笑)
おぉ、ここはやっぱりラテンの国だと思っていたら、
花火を見ている時は、静まり返っている。
何この、日本と逆な感じ(笑)
本当に感動した時には声がでないフランス人、ちょっと可愛い。
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自分のなかのひそやかな気持ちを手放した日でした。
その日に、パリに来て知り合った方と、こんな風に二人で革命記念日の花火を見ているなんて。不思議。
去っていくもの、新しく入ってくるもの、再生されるもの…。
革命記念日に新しいエネルギーを感じながら。
人と人との縁、人と街との縁を感じながら。
パリで見た花火、きっとずっと忘れない。
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あれから10年、ようやくここに。パリシャトレ座。

ウィーン国立バレエ団、一ヶ月のパリ公演、いってきました!一ヶ月という長いツアー、覚悟していったものの、オンもオフも大充実していて、終わってみるとあっという間。一日が24時間では足りなかったし、あと3ヶ月くらいパリ公演が続いてほしかった…。こんな風に思えるのは幸せなことなんですよね、きっと。少しずつ、パリでの記憶を書き残していきたいと思います。

セーヌ川のほとりにある、シャトレ座。

 
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ウィーンバレエ公演のポスターは、期間中パリのあらゆるところに貼られていて、

パリでこのポスターを見たことがない人はいない!というほどでした。
メトロの駅も。

 
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パリ市を走るバスも半数近くがウィーンバレエ仕様。

 
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このバスに乗ってホテルから劇場に通勤する私たちは、

なんだか幼稚園バスに乗っているようで(笑)
シャトレ座は、オペラ座ほどの世界的知名度はなくとも、本当に舞台が好きなパリ市民が通うと言われている劇場。こちら、舞台から見た客席。素敵でしょ?

 
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ヌレエフガラ公演の稽古の合間に。

 
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ヌレエフガラはオーケストラ伴奏でなく、録音音源を使っての公演だったので、

私は、客席のてっぺんにあるサウンドエンジニア室で、音のキューだし業務をしていました。キャパといい雰囲気といい、ウィーンのアンデアウィーン劇場に似ているかな。
一ヶ月の公演中ずっと、ヌレエフの写真が劇場に飾られていて。

 
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ヌレエフ写真展のようでもありましたよ。
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舞台裏で見つけた、素敵な階段。斜めになっていて、下るのが少し怖い。

 
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実は私、昔からシャトレ座のことを心の片隅に置いて過ごしてきました。

訪れたこともない劇場のことをなぜ?私の小さな…、だけど、大切な記憶を書き残しておこうと思います。遡ること10年ほど前、とある私立財団主催で、日本の若きオペラ歌手、コレペティ(オペラの稽古ピアニスト)をシャトレ座に留学させる、という研修制度がありました。これは大変魅力的な制度だと思ったものの、私自身は応募するに至らず、研修に応募したいという歌手の伴奏者として、たまたまオーディションについていきました。こまばエミナースの舞台だったかな。舞台で数曲演奏し終えて控え室に戻ると、主催者の方が私を探しているという。「なぜ私?」話を聞いてみると、オーディションを聞いていたシャトレ座音楽顧問の方が、私のピアノを気に入ってくださり、パリに来る気があるかどうかを聞いている、というのです!!こんなことってあるのでしょうか。もちろん、もちろん、心が揺れたものの、当時の私にとっては、いろんな状況や思うところがあったのでしょう、結局そのお話には乗らず、東京で仕事する道を選びました。
その時の選択には後悔はしていません。でも、シャトレ座音楽顧問の方がほんの数分の私のピアノを聴いて、声をかけてくださったこと、私が道なき道を歩いていくうえで、どれだけ励まされたでしょう。それ以来、シャトレ座はいつか訪れてみたい劇場として、私の心に在りました。
そして、2013年7月、ようやくたどりつけました。ウィーン国立バレエ団のピアニストとしてね♪
人生って不思議。日々の出来事はただの点に過ぎなくても、歩いていく限り、それが線になって、やがて道ができていく。繋がっていく。広がっていく。回帰もできる。音楽みたい。いろんなことがあるけれど、人生はギフトなのかもしれない、なんて思うのです。
シャトレ座隣にあるセーヌ川の夕焼け。あまりの美しさに言葉がでない。
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heavenly…..