踊りと歌とジャズピアノと。

今日は、午前バレエ伴奏→午後声楽伴奏にハシゴ。
声楽伴奏では、先月の講習会で得た技をこっそり披露してみる。
ほぉぉぉぉぉ。
なんといったらいいのか…、今までとはまた違った角度から音楽を見ることができたし、歌い手さんに伝えられた気がしますラブラブ
音楽の愉しみが増したような。
更に、今日は大初見大会だったのですが。
好きなんですよね、初見アンサンブル。
全然先が見えないけど、ずんずん歩いていくこの感覚。
知らない景色が、目の前に広がっていくの。
どこにたどり着くかよく分からないけど、とりあえず一歩踏み出してみる。
危険なこともたくさんあるし、こんなのできない!とめげることもあるけど、
止まらないで歩き続ける。
すると、いろんな出逢いがあって、演奏し終えた時には、じわんと感動が残っていたりする。
なんだか旅に似てるでしょ?ニコニコ
難しい曲であればあるほど、遠い外国歩いているみたいで、スリル満点でワクワクする(笑)
時間を忘れちゃいます。
今日も、素敵な曲にたくさん出逢いました。
楽しかったー。
疲れたけどガーン
さて、これからお仕事もうひとつ。
最後の仕事はJazz演奏☆
昼に一生懸命譜面を読んだ反動で、今度は大アドリブ大会になります(笑)
今日は、ペトルチアーニみたいに、アグレッシブなSummerTimeが弾きたい気分。
楽しんでいきましょ♪
…しっかし、おなかすいたーーーニコニコニコニコニコニコニコニコニコニコ

The road to the world

昨日は不思議な一日でした。

一昨日、大阪から東京に戻ってきた私は、

大阪生活が楽しすぎたせいで、どうにもブルーで…。

しかし、そんな気分を打ち破るように、昨日は午前中に三件も仕事の電話が。

それもすべて、来月以降の仕事の依頼の電話だったのです。

大阪にいた一週間は、仕事の電話なんて一本もかかってこなかったのに…。

なんなんだ、これは…。

なんだか、今日は目に見えない大きな波がきている気がして、

私は新しいワンピースに袖を通すことにしたのです。

新進気鋭のニューヨークの作家のドレス。ワクワクする気持ちを抱きつつ。

足取りも軽く、向かった先は、三鷹市芸術文化センター。

森内剛氏指揮、新世紀オーケストラ演奏会。

彼は、先月のコレペティ講習会で私にたくさんのことを教えてくれた素敵な音楽家。

演奏会は彼ワールド全開、予想にたがわず素晴らしいものでした。

彼が生き生きと音楽を奏でているのが客席にも伝わってきて、

私も自然とオーケストラとともに呼吸して、一緒に音楽を奏でているような、そんな感覚を味わいました。

途中までは、指揮を見て、目と耳で音楽を味わっていたのだけど、

最後の曲、シューマンのシンフォニーでは、もっと深く感じたくて、目を瞑って、耳と空気、波動だけで音楽を味わうことに。

視覚を遮断すると、聴覚がより敏感になって迫ってくるのですよね、私の場合。

(部屋を真っ暗にしてピアノを弾くのも好きでよくやります。。)

彼の音楽は、真摯で情熱があって、正確で端正で、優しさもある。好きだなぁ。

彼とこの夏お会いできたことは大きな糧になりました。とても嬉しく思います。

さて、演奏会後に向かったのは、青山劇場。

実は前日に、仲良しの新聞記者氏を森内氏の演奏会にお誘いしたら、

「OK!じゃ、夜はローザンヌガラにハシゴしない?」とのお返事が。

ええ、いきますとも!こういう唐突なスケジューリング、結構好きかも(笑)

世界一名高いローザンヌバレエコンクール。

このコンクールで入賞したダンサーは、その瞬間、世界への切符を手に入れる。

この日は、ローザンヌを踏み台にして、世界の桧舞台で活躍してきた日本人ダンサーが一堂に会するガラ公演。

琴線に触れた踊りをいくつか。

・ベルリン国立バレエ団SHOKOさん&ヴィエスラフ・デュデックさんによる「アレス・ワルツ」。

(マーラーのアダージェットの調べに乗せて、いつまでも見ていたい、この時が永遠に続いてほしいと願ってしまったひと時でした。)

・中村恩恵さん&首藤康之さんによる「The Well-Tempered」 なんと慈愛に満ちた踊りであったことか。

・英国ロイヤルバレエ団の崔由姫さん&平野亮一さんによる「タイス」。崔由姫さんの伸びやかな肢体と情熱!

・今年受賞したばかりの佐々木万璃子さん。美しいひざと圧倒的存在感の持ち主でした。末恐ろしい15歳!

・Kバレエカンパニーの荒井祐子さん&清水健太さんによる「ロミオとジュリエット」。

・ロイヤルフランダースバレエ団斉藤亜紀さん&ウィム・ヴァンレッセンさんによる、「In The Middle,Somewhat Elevated」。

うーん、やっぱりフォーサイス作品は好きだなぁ。

フォーサイスに限らず、私は最近、興味の矛先がドイツ系譜のバレエにあると再認識。

ノイマイヤー、クランコ、フォーサイス、キリアン、レナートツェネラ、、

なんと魅力的な面々!ドイツのその独創性は、どこからくるのでしょう?

たっぷり舞台を堪能したあとは、レセプションパーティーへ!

新聞記者氏のオマケで、私も出席させて頂いたのです♪

そこでは、高円宮妃殿下をはじめ、熊川哲也氏等、そうそうたる面々が。

うわぁ、きちんとした洋服を着てきてよかった~^^;

新聞記者氏に紹介してもらい、熊川哲也氏と初めてお話する機会に恵まれたのです。

ずっとお話してみたいと思っていたのだけど、叶う時はこんなに簡単に叶うものなんだ。

やっぱり出逢いは降ってくるものですね。

彼は、辺りの空気を変えるカリスマオーラの持ち主。

至近距離でじっと目を見る眼力の強さ。

この距離感…ちょっと不思議、、でもやっぱり魅力的。いい男ですねー。

また、今日の出演者、SHOKOさん、荒井祐子さん、崔由姫さん、中村恩恵さんや、

私が11年前、初めてバレエピアノを弾いた時の先生、安達悦子さんともお話できました。

新聞記者氏にドクドクつがれたワインの酔いも相まって(笑)、夢のような、素晴らしい時間を過ごすことができました。Sさん、どうもありがとう(笑)

この日は、森内氏しかり、ローザンヌガラ出演者しかり、

世界を舞台に活躍されている日本人の方々の芸術に触れ、お話もでき、その息吹を感じることができました。

皆様本当に素晴らしく、大きな祝福を贈るとともに、

私自身も大きなパワーをもらい、力強く背中を押された気持ちになりました。

ありがとうございます。小さな歩みですが、私もがんばります!

朝の予感はあたりましたね。

想像以上のビッグウェーブで、何度も何度も心が震えました。

この日着たワンピは、ラッキードレスに命名♪

今度は、これを着てどこに行こう。誰に会いにいこうかな。

運命を変えた一曲、リストピアノソナタロ短調

大阪ゆきの飛行機の機内で、オーディオプログラムを聴いてくつろいでいたら、

突然思い出の曲が流れてきて、一瞬呼吸を忘れ、固まった。

その曲は、リストのピアノソナタロ短調。

昔、この曲を聴いて感銘を受け、私の運命が変わった、

などというと大袈裟なのだけど、私の道に強い光を与えてくれた曲だったのだ。

話は大昔にさかのぼるが、

私の母は音楽への愛情が深い人だったので、

私は幼少のころからなかなか恵まれた音楽教育を受けてきた。

ピアノと作曲とヴァイオリンを習い、合唱団にも所属して(マタイ受難曲なんぞを歌い)、毎日音楽三昧。

コンサートにもたくさん連れて行ってもらったし、両親がクリスチャンで毎週日曜日に教会に通っていたので、教会音楽へのなじみも深かった。

母は教育熱心で、旅先でもスタジオを借りてピアノの練習をしていたほどだった。

しかし、小学4年の時に中学受験か音楽の道かの選択を迫られ、その時、音楽の道を捨てることになった。

私はその後、中学受験をしていわゆる進学校に入学し、それからは勉強勉強の日々に。

学校が遠くて通学だけで体力を奪われたし、毎日大量に出される各教科の宿題をこなすのに必死だった。

そんななか、作曲も合唱団もヴァイオリンもやめたけど、ピアノだけは続けていて、

中学高校時代を通してコンクールなどを受けては、結果を残してもいた。

けれど、10歳の時既に音楽の道を捨てたということを自覚していた私は、

コンクール会場で「どこの音大に進むの?」などと聞かれても、キッパリ「音大には行きません」と答えていた。

コンクールでの皆の演奏(音大に進むであろう人たちの)に魅力を感じないというのもあったし、別世界のことだと思っていた。でももしかすると、そう自分に言い聞かせていただけなのかもしれない。本当は羨ましかったのかもしれない。

そして、高校三年になり。私は進路に迷っていた。

周りが大学受験一色のなか、私も文系大学を受験するつもりでいたのだが、

受けたい大学がないのだ。いや、憧れの大学はいくつかあった。

しかし、自分の行きたいと思える学部、学科がなかったのだ。

私はこの先、何をやっていきたいのだろう?何を学びたいのだろう?

いくら考えても答えがでなかった。何も考えず、偏差値基準で大学を選ぶべきなのか??

そんな時、運命を変える一曲に出会うことになる。

高3の夏、私はピアノリサイタルを聴きにでかけた。

そこで初めて聴いたリストのピアノソナタロ短調。

その演奏に感銘を受け、この曲の持つエネルギーに魂が震えた。

やっぱり私には音楽しかない、と思った。

リサイタル終了後、楽屋に行き、「ピアノを聴いてください」と頼み込んだ。

自分が感銘を受けたピアニストに認めてもらえたら…そしたら、音大に行く決心をしようと思ったのだ。

彼は快く受けいれてくれ、ほどなくして、私は東京にレッスンを受けにでかけた。

バッハの平均律やショパンのエチュード、スケルツォなど弾くと、彼は私に言った。

「君には才能がある。音大に行くべきだ」と。

しかも、日本の音大には向かないと思うから、(これは、充分自覚していた笑)と、

アメリカの音大受験を勧められ、そこから私の音大受験勉強が始まった。

なんせ、高3の夏であったので、突然の進路変更を周りのすべての人に驚かれ、反対された。

だけど、私の意志は強固だった。進むべき道が自分には見えていたから。

生活の中心が音楽になるということは、私にとって大きな歓びだった。

今までしたくてもできないことだったから、これからは大手を振って!という気分だったのだ。

次の年、シカゴとニューヨークの音大を受験し、渡米することになっていたのだが、

結局思うところがあって、私は東京の音大に進学した。

激動だったあの頃を思うと、懐かしいような恐ろしいような気持ちになる(笑)

しかし、リストのソナタロ短調に、あの時の氏の演奏に、与えられた勇気は計り知れない。

先月仙台に演奏に行った際、久しぶりに氏に再会してお酒を飲む機会に恵まれ、

改めて、この運命(もっといい表現があるような気がするのだが、言葉がみつからない)に感謝した。

畏敬の気持ちが大きすぎて、この曲をずっと弾けないままでいたのだけど、

仕事の譜読みが落ち着いたら、この曲に取り組んでみようかと思う。

そして、あの17歳の夏の日のように、師匠に聴いてもらいにいこうかな。