旅の原風景

新しいブログが嬉しくて、一日に何度も無駄に眺めてしまう。にやにや。
しかし、当然ながら、眺めているだけで更新はされない。書かねば!…しかし、こんなタイミングで手持ちのカメラの液晶が壊れて使えなくなってしまった。しょうがない。こんな時は過去を振り返ろうかな。まだブログに書いていなかった旅の記憶が色々あるので、残しておこうと思います。お暇な方はおつきあいくださいませ。

さて、私が初めて行った外国。それはここ、オーストリアでした。6歳の夏、三週間ほどオーストリアとスイスで家族と過ごしたのだけれど、幼い私を魅了したのは、豪奢なウィーンよりも断然、アルプス。美しくて雄大な自然に抱かれたハイジの世界に心奪われ、以来ずっと、旅の原風景として、心に在り続けました。そして去年のイースター休暇、ようやくアルプスを再び訪れることができたのです。

朝7時、ウィーン西駅を出発。

ザルツブルクでチロル州ゆきの電車に乗り換えると、右も左も絶景で大興奮!車窓からのぞむ景色はこんな!

ウィーンから約5時間。目的地に着きました。
アルプスの山あいの街、キッツビュール。

キッツビュールは、オーストリアアルプスの中でも最も古い高級スキーリゾート地。
ここが街の中心地。街はのどかな田舎の雰囲気のなかにも洗練された空気が。
首都ウィーンよりも素敵なセレクトショップがいくつもあったりね。

上の写真の真ん中に写っている聖母教会(Liebfrauenkirche)

散策します。空気が美味しくて美味しくて。

春爛漫

残雪もあるけれど、気温はもう20度近くあったかな。

今夜の宿に到着。私は一人旅の時は大抵、プール&スパつきのホテルに泊ります。一人だとあまり食事を楽しめないので、その代わりにスパを満喫するのです。旅の疲れも癒せるし、日頃の運動不足も解消しておきたくて笑。チロルの数ある街のなかからキッツビュールを選んだのは、魅力的な五つ星ホテルがいくつもあったからでした。
ホテル最上階のスパからのこの景色!なんて贅沢なのでしょう。

暮れゆくアルプスを眺めながら

気ままに泳いだり、サウナ上がりにうとうとしたり。うーん、贅沢。

アルプスの日没。心がしんとする…

灯りがともりはじめる黄昏時。

結局、スパが閉まる時間(9時頃だったっけ?)までここで一人でのんびりしていました。

その後、バーでウイスキーを頂き、星空を眺めて。アルプスの夜はゆっくり更けていきました。

さて、明日はロープウェイで山上に登ってみます。

Austria Trend Hotel Scloss Lebenberg Kitzbühel

ベオグラード公演と豊かさについて

先月、ウィーン国立バレエ団は、セルビアの首都ベオグラードにて公演してきました。
ベオグラードダンスフェスティバルへの客演です。
中欧から距離こそ近いものの、旧ユーゴスラビアは異文化、、遠く感じます。
ウィーンからベオグラードは飛行機で2時間弱。
機内誌には、わがカンパニーの星、木本君の写真。

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ホテルからの眺め。

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公演会場サバセンター(日本の国際展示場みたいな感じかな)にて、

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公演も大盛況でした。

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うちのカンパニーのセルビア人ダンサー二名もそうですが、
セルビア人は背が高くて美男美女が多いという印象。
初日のディナーに、連れていって頂いたレストラン。

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公演前のランチ。肉大盛!
踊る前にみんなで体力をつける(笑)

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今回は二泊三日の弾丸ツアーでしたが、
最終日、二時ごろまでフリーだったので、私はホテルのプールでひと泳ぎしてから、街へ繰り出してみることに。
サバ川ほとりの旧市街。

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セルビアは南スラブ民族なので、文字はキリル文字。

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スラブ系のダンサー達は、皆ロシア語で現地の方とやり取りしていました。

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物価はそれほど安くなく、ショッピングセンターに行ってみると、ウィーンより高く感じるほど。
外国人向けなのでしょうか…。
ひとつ、おもしろいことに気づきました。
セルビアでのお店での支払いがかなりおおらかなのです。
たとえば、スーパーに行ってお水を買ったとします。
100円だったとして、私が細かいお金は70円しか持っていなくて、
あとは500円玉しか持っていなかったとします。
すると、70円でいいよ!と、まさかの切り捨て。
このレジの方が特別かと思いきや、アイスクリーム屋さんでも空港の売店でも、どこでもそうだったので、そういう文化なのでしょう。ウィーンでは大抵、チップとして多めに支払うし、日本では1円単位まできっちり計算するし、、支払いへの価値観もほんとにそれぞれですね。
このような建物も旧市街の至るところに。

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美しい教会。

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ふと一人我に返り、セルビアでこうして仕事をしていることの不思議をかみしめたり。

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ピアノという翼を与えてくれた両親、今まで出会った方々がここまで連れてきてくれたのだろうな。ありがとう。
そして、旅の最後にハプニングが。
ウィーンゆきの飛行機が強風のため遅延して、ベオグラードの空港で足止め。。
ダンサーたちは次の日も、ウィーンで「真夏の夜の夢」公演があるので、ヤキモキ。
結局、空港で七時間も待ち、ウィーンの家に戻ったのは深夜12時を回っていました。
疲れたけど、普段あまり話せないダンサーたちとたくさん恋バナしたりバカ話したり飲んだり。

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こんな時間もきっと旅の醍醐味であり、ギフトだと思いました。
最近、よく思うのです。
「この瞬間を忘れないでいたい。ずっと覚えていたい」って。
だけど、きっと記憶ってポロポロこぼれ落ちていって、いつか忘れてしまう。
ひとつひとつを永遠に覚えておくことはできないかもしれないけど、
いつか忘れてしまうかもしれないけど、
豊かな何か、は残っていき、蓄積されていくものなのかもしれない。
記憶が昇華された後に残る豊かさ、こそが宝なのかもしれない。
今回の旅も、日々の小さなことも、豊かに残っていきますように。

2012年の旅を振り返る

2012年、皆様にとってどんな年だったでしょうか?
私にとっては、2011年に住まいをウィーンに移して、
今年は少しずつその基盤ができてきて。
素敵な友人もできてきて、あちこち旅することもできました。
2012年の旅を振り返ってみようと思います。
1月 盟友とブダペストへ。
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2月 ザルツブルク&ザルツカンマーグートへ。
ザルツブルク州立歌劇場のバレエコレペティのりこさんを訪ねて。
 
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真っ白の世界に身を置きたくて、
雪深いザルツカンマーグート(オーストリアの湖水地方)へ一人旅。
凍った湖でスケートをしました。
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3月 日本から来た後輩クン達と再びザルツブルクへ。
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4月 日帰りでパリに買い物に。
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4月 ウィーン国立バレエ団 日本公演!!!
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カンパニーの皆と東京、大阪(西宮)、名古屋を回れ、
日本のたくさんのお客様にお会いできたこと。
一生の思い出になるでしょう。
7月 初めてのシーズンが終わって夏休み!二ヶ月の休みというのも人生初!
湖水地方ハルシュタットへ。美しいオーストリアの自然を満喫。これぞ山国の魅力。
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同僚と温泉保養地バーデンへ。
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8月 フィンランド国立バレエプリンシパル中川真樹さんを訪ねてヘルシンキへ。
北欧初上陸。
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そして、日本での夏休み!!
長年宝塚スターだった友人の最後の花道を見送って
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近しい親戚で集まって両親の結婚40周年をお祝いして。
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高校時代の友人たちと葉山の海で泳ぎ、海で飲み、
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ツージーと京都で川床料理を頂き。
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ウィーンに帰る前日、南仏トゥーロン在住のバレエ教師ゆみこさんとあさこさんを訪ねて、名古屋で弾丸ランチ。
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人生最高に楽しい夏休みだったかもしれないな。
愛しい日本と愛しい人たち。
そして、2012/13シーズンの開幕。
11月に友人とバッハを訪ねてライプツィヒへ。
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12月、ロイヤルバレエのくるみわり人形のゲネプロを観に、ロンドンへ。
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3年ぶりのロンドンは、美しくて楽しくて。
やっぱり大好きな街でした。
旅はやっぱり素敵。日常から離れて初めて見えることもたくさんあるし、
その都度、豊かな糧をもらえ、未来の活力になる。新しい細胞が生まれる感じがする。
2013年はどこに旅するのかな。
どんな経験をするのかな。
仕事も旅も、めいっぱい楽しんで味わっていこうと思います。
2012年ありがとう。2013年、よろしくお願いします。