青き春の風景

英国旅日記17日目
先週、近所のテムズ川でオックスフォード大学カレッジ対抗ボート試合がありました。
予選~決勝まで4日間、テムズ川は大学生で大賑わいでした。

こころの音色
ボートという競技はなんだか青春の香りがしませんか?
私は学生時代、ボート部の人とおつきあいしていて、よく試合を見に行っていました。
だから、この風景は私にとっての青春の風景でもあるのです。
こころの音色
日本もイギリスも艇庫の雰囲気は同じ。
こころの音色
んー懐かしい!あのときのボート部のみんな、どうしてるかな?
突然話は変わりますが、明日から5日間、フランスとスイスに行くことになりました。
パリに連れて行ってほしい、と前からお願いしていたのですが、
「パリはいつか、好きな人と一緒に行きなさい」と言われ(・∀・)
スイスのジュネーブ・ローザンヌ~フランスのシャモニまで、アルプスのモンブランを見に行くことに。
見るといっても標高4000m近くまでロープウェイで行って歩くので、割と本格的な登山。
急遽登山服・靴を買い揃えました(もちろんすべて子供用w)。
私の両親は山登りの達人なのですが、問題はこの軟弱な娘。
そんなところまでついて行って大丈夫なのでしょうか!?
思い描いているのはハイジの世界なのですが、それどころじゃない!?
どうか無事を祈っていてくださいね~

ロイヤルオペラ「ペレアスとメリザンド」

英国旅日記 16日目
念願叶い、ロイヤルオペラ「ペレアスとメリザンド」を観にいくことに。
朝6時半にオックスフォードを出て、当日券をとるためにロンドンのロイヤルオペラハウスへ。
この日は単独行動だったので、ちょっとした冒険気分。
こころの音色
10時に当日券をなんとか入手し、心をときめかせながら夜になるのを待ちます。なんだか好きな人とデートする前の気持ちに似ている(笑)
私は数年前、このドビュッシーのオペラ「ペレアスとメリザンド」のコレペティ・稽古ピアニストとして公演に関わったことがあります。輝くばかりの美しさに満ち溢れた音楽に魅せられつつも、その精緻なオーケストレーションをピアノで表現することにとても苦労をした思い出を持っています。(ドビュッシーの「水の反映」あたりのピアノ曲が3時間半続くといえばその大変さを分かってもらえるでしょうか?)人生最大の壁だったように思います。
そんな濃い思い出を持つオペラに、イギリスで再会を果たすことになるとは。人生って分からないものですね。
こころの音色
今をときめくサイモンラトル指揮、そして新演出ということで劇場は満席。
いよいよ開演。音楽が流れ始めた瞬間、目に涙が溢れ、止まらなくなってしまいました。
音楽の美しさ、過去の辛い経験、その時お世話になった方々への感謝の気持ち、
そして今ここにいられることの幸せ、いろんな気持ちがいっぺんにあふれ出してぐるぐるに。
音楽のもつ力のなせるわざでしょうか。
しばらく涙を流しつつも、次第にオペラに引き込まれていきました。
音楽の水準はものすごく高い。さすがはロイヤルです。
演出は超現代演出で、シーンが変わるごとに客席から感嘆の声が。
このオペラの戯曲はメーテルリンク(「青い鳥」の著者)によって書かれていて、
歌詞のひとつひとつにとても深みがあるのです。
私は日本語訳の歌詞が頭に入っているので、フランス語を日本語に同時通訳、
ついでに英語の字幕を読み、頭の中に三ヶ国語がとびかうという稀有な体験をしました(笑)
おもしろい発見もいろいろありましたね。
森の中に深い水がたたえられ、空には星が光り、ペレアスとメリザンドがどうしようもなく惹かれあい、
ゴローは激情の果てに絶望し、アルケルが優しく語りかける。
すべてが耽美的な音楽とメーテルリンクの戯曲に包まれ、オペラハウスを満たしていました。
とにもかくにも、この日のサイモンラトルの指揮とロイヤルオペラ管弦楽団の演奏は、
この世のものとは思えない美しさでした。
最後の一音が消え入り、しばらく無音になったあと、客席はとても静かな深い感動に包まれていました。
日本だったら、拍手で我に返るということが多いような気がしますが、
ロイヤルオペラは舞台と客席が一体化しているような…。舞台の余韻がいつまでもいつまでも残っていました。
朝6時半~夜1時まで、ひとりで外国の街を歩き回り、夜道に迷ったり、危険を感じてビクビクしたり、
外国人差別を感じたり。昼間にはランチコンサートをも聞き、夜には素晴らしいオペラを聞き、
良いことも悪いこともたくさん経験し、すっかり神経が疲弊してしまいました。
魂が傷つきながらも磨かれた。そんな一日だったように思います。
それにしてもサイモンラトルは素晴らしかった。日本に帰ったらこの日の演奏を思い出して、
もう一度スコアを引っ張り出してきて弾いてみようかな。

グリーンホリデーの日

英国旅日記 15日目
兄が合流して、4人家族が揃いました。
ということで、教会の日曜礼拝にでた後、家族でハイキングにでかけることに。
家からテムズ川のほとり(テムズパスという緑道になっている)を歩くこと3時間。
こころの音色
この景色(&川のほとりのパブでのお酒)があれば、疲れも吹っ飛びますね。
こころの音色
イギリス人は休日になると、こぞって自然を味わいに郊外にでかけ、グリーンホリデーを満喫するといいます。
この国の人は豊かに生きること、暮らしを楽しむことを知っているなぁと思います。
そんなイギリス流の生き方は大いに真似したいところです。
ところで、私の兄は昨年文芸編集の仕事を辞め、二つ目の大学建築科をこの春卒業し、
来月から自然再生のための公園を造る(ランドスケープデザインというらしい)会社に就職することになったそうです。
そんな彼が今イギリスの素晴らしき自然・庭園の数々を目の当たりにできたことは幸運なことなのでしょう。
日本もイギリスのように緑を愛し愛される国になりますよう。
こころの音色
(あ、野原に転がっているのは私です。笑)