母の所属するニューカマークラブの方々とコッツウォルズに行ってきた。
ちなみにニューカマークラブとは、オックスフォード大学に留学する研究者の配偶者が集まるクラブ。企業の海外赴任で来ているファミリーと違い、研究者は孤独な渡英が多いためだ。いろんな国から来ている人が多く、母はこのクラブをかなり満喫している模様。外国人の友だちもたくさんでき、英語でくだらない電話をかけていることもある(笑)「ヨーコさんの為の留学ですから。僕は内助の功に徹するよ」と父は言う。
そんな楽しげなクラブの面々で今日は隣町までバスツアー。
オックスフォード市内からコッツウォルズはバスで45分ほど。
コッツウォルズはのどかな田園風景が広がる小さな美しい村々だ。
私たちが訪れたのは「ケルムスコットマナー」というマナーハウス。
マナーハウスとは、貴族が郊外に別荘地として建てた邸宅のことだ。
邸宅といっても豪奢なものではなく、自然とともにゆるやかな暮らしを送ることが目的だったらしい。
ケルムスコットマナーは、ウィリアムモリスが友人ロセッティと共に建てた邸宅である。
「美しいものに囲まれて暮らしたい」という彼の美意識が隅々まで行き届いた家。
ガイドさんの話を聞いていて驚いたことが。
それはモリスの妻ジェーンという人のこと。
彼女はオリエンタルでとても魅力的な美女だったらしいのだが、
モリスの友人ロセッティもジェーンを愛しており、このマナーハウスには、
妻の愛人が自分の旧友であり、仕事のパートナーだなんて…。
モリスは苦悩しつつも、妻の心のままに、と暗黙で認めていたらしい。
10年近くたって、ようやくジェーンはロセッティとの縁を切り、同時にモリスもロセッティとの縁を切り、
ジェーンはモリスを愛していなかったかというと、そういうわけではないらしく、