古色蒼然たるオックスフォード

39もの大学が小さな街にひしめくオックスフォード。
こころの音色
その街並はまさに古色蒼然といった趣。
ここが学問の街であろうことは、空気を通してびんびん伝わってきます。
イギリスでは大学は若い人たちのものだけでなく、すべての年代の人に門戸が開かれているといいます。日本だと「いい歳してまだ学生?」といった風潮があるけれど、こちらはいくつになっても「学ぶ」という姿勢・行為はとてもリスペクトされ、歓迎されるものらしい。父の通う大学も、ほとんどの人は年齢不詳。いったい平均年齢はいくつなのだろう(笑)
こころの音色
たいていの学生はジーンズにトレーナーやパーカーで歩いていて、とても質素。私の普段着のワンピース姿なんぞで歩こうものなら、今日はパーティー?それともクレイジー?と思われそう(笑)もっとも、日本の大学にオックスフォードスタイルで行くと「今日は遠足?それともお金がないの?」と思われそうだけどね(笑)
オックスフォードは日本で言うとどこの都市でしょう。
学問の街で、古い町並みと自然が残っているという意味では京都かもしれません。
街の中心部にはデパートも映画館も劇場もあり、劇場では海外からの引越公演も。
こころの音色
母は「トスカ」「42nd street」「CHICAGO」などを観たそうです。私も先週、母とミュージカル「ガイズ&ドールズ」を観にいきました。(これはミュージカル自体面白くない上ヒロインも老けていてw、この上なく退屈な思いをしました。。)
大学街を少し離れると、テムズ川に沿って大きな自然が広がっています。
私は朝ピアノを弾いてから緑の中を散歩して街に行き、本屋やお店を見て回ってから大学の図書館に寄り、夕方には大学のチャペルでの礼拝に行き、クワイヤーを聴くのがお気に入りの過ごし方になりました。このクワイヤーは私の価値観を覆すほどのものなので、また改めて。
この街で学べる学生は幸せだと思います。
暮らしは質素でも、とても豊かそうに見えます。
私もつかのま、オックスフォードの大学生気分を味わってきますね。

日々新陳代謝

先週の土曜日、オックスフォードでお医者さんをしていらっしゃる日本人の方のお宅に伺い、
サロンコンサートを開かせて頂いた。
個人宅とは思えないほどの豪邸に、数家族が集まり、賑やかかつ和やかなコンサートになった。
こころの音色
私がピアノを弾いている間じゅう、ラブラドールレトリバーのロクくんがピアノの足もとで静かに聴いてくれていた。
犬好きの私にとっては嬉しかったなー(笑)
旅行中ということで特にかまえず、プログラムの半分は即興演奏の(出た!必殺技!w)等身大のコンサートでした。
旅行先でこのような機会を与えて頂いたことに、心から感謝します。
日記を書くのが遅くなり、記憶と興奮が薄れているのであっさりと(笑)
次の日は、母のコンサート。
オックスフォード建都1000年の祝祭イベントに母が合唱で出演したのだ。
こころの音色
大きな公園に特別ドームが建てられてのコンサート、オケはオックスフォード大学オーケストラ。
こころの音色
演奏はちょっと驚くくらい素晴らしい出来で、芝生にあぐらをかいて聴いていた聴衆は、演奏が終わるとみんなスタンディングオベーション。とても素晴らしいひとときだった。
こちらでは音楽が生活に密着していて、コンサートを開いたり聴いたりすることが特別なことではないように感じる。
毎日あちこちのコンサートや舞台にでかけ、おおらかな自然に抱かれ、とても穏やかな気持ちで音楽に向かい合える気がする。
幸せな日々を過ごしています。

ヘンデルハウス

ドイツに生まれ、25歳でロンドンに移り住み、英国を永住の地とした作曲家ヘンデル。
イギリス国民に最も愛されている作曲家の一人ではないでしょうか。
そのヘンデルが暮らした家『ヘンデルハウス』に行ってきました。
こころの音色
午前中にロンドン観光をし、午後はミュージカル鑑賞、夜はヘンデルハウスで音楽会。
なんと目まぐるしい一日でしょう。ちなみにすべて行き当たりばったり(笑)
ここは博物館になっており、ヘンデルの使っていたハープシコード、オペラや楽曲の直筆譜、資料が残されています。それに毎晩音楽会が開かれていて、ヘンデルが作曲して、客を呼んで試演会をおこなっていた部屋で、当時の楽器での演奏を聞くことができます。12畳くらいの広さの部屋にお客さんは30人ほど。
コンサートは、カウンターテノール&ハープシコードのデュオ。ちなみにカウンターテノールとは男性なのに女性のソプラノの音域を歌う、当時のオペラでは花形だった声種です。ハープシコードは今のピアノの前身ですね。
コンサートが始まり、ごついおじさんが現れる。え?この人がカウンターテノール!?ハープシコードの彼は、繊細でひ弱そうな青年。先ほどゲイストリートを闊歩してきたこともあり、瞬時にいけない妄想が頭を駆け巡る(爆)
しかし、演奏が始まった途端、ぐぐっと吸い込まれました。
繊細にして大胆な演奏は、バロック音楽の妙そのもの。この時代の音楽のもつエネルギーって独特のものがありますよね。即興性も強いし。
1mという至近距離(!)で聞くカウンターテノール、存分に堪能しました。
この歌い手さんはまだ20代だろうけれど、きっとこれから世にでてくるだろうな。
すっかり満足した私は、オペラ資料の部屋へ。
ヘンデルのバロックオペラの興味深い資料が所狭しと並んでいます。
こころの音色
でもでも、私のハートをとらえちゃったのはこれ。仮装コーナー(爆)
オペラ衣裳やヘンデルの服を着て自由に写真を撮ってくださいのコーナーがあったのですよぉ。
もうね、これは楽しすぎました。
試しに父にヘンデル服を着せ、ヘンデルカツラを被せてみたら、
志村けんか意地悪ばあさん。笑い転げました。
私も色々やってみたけれど、一番はまったのは上の写真。オペラのズボン役。一度着てみたかったのよねぇ。
いやぁヘンデルハウス。楽しいです。いろんな意味で。クラシック好きの皆さん、ロンドンに行く機会があれば是非訪れてくださいね。
そして、ヘンデル服にヘンデルカツラの写真を私にメールしてね(笑)
ヘンデルハウス
http://www.handelhouse.org/