ハルシュタット紀行 2 アルプス篇

ハルシュタット紀行1の続きです。
シーズン中にずっと思っていたことがありました。
それは、「夏になったら、アルプスの山に行きたい」ということ。
シーズン中、やっぱりどこかでずっと気を張っていて、最後の方は疲れがたまっていたこともあって、
休みになったら、大きな自然に身を委ねてリラックスしたい。心を解放したい、と。
子どもの頃に訪れた、スイス、オーストリアの山々の魅力も忘れられなくて。
山国オーストリアに住んでいるからには、やっぱり夏は山!!
のわりには、日帰りなんですけど(笑)
さらに、体力にはまったく自信がないので、山道歩けません。
もちろん車もないので、頼れるのはケーブルカー(笑)

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こちら、ハルシュタットの街からバスで10分くらい走ったところにある、クリッペンシュタインという山。
ケーブルカーを二本乗り継いで、山頂付近に到着!!

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ああ、涼しい。気持ちいい。
この空気を吸いたかった。美しい美しいオーストリアの山の空気。
雪渓でそり滑りしている人も(笑)

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山頂から望む湖。

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こちらは展望台、、
崖から突き出した展望台の下が透けていて、まるで上空に浮いているような気分で景色を眺められる、、、
らしいのだけれど、恐がりの私は、近寄ることもできず。。
遠くから人々を眺めて、足をすくませていました(笑)

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山を1時間ほど歩いた頃でしょうか、
急に雲がでてきて、あっというまに視界が霧だらけに。
午後は天気が崩れるとは聞いていたのだけど、これは危ないと、
急いで道を引き返しました。

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ケーブルカーに乗った途端、激しい雷雨!
山にいた皆さん、大丈夫かなぁ。。

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ケーブルカー乗り継ぎ地点で、雨模様の下界を眺めながら、しばしお茶をして、、
下山する頃には、雨はやみました♪
午前中と打って変わって、涼しくなった湖畔で再びお散歩です。
このお家、この木!!!絵本の世界。

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そしてそして、これが有名な景色。
ハルシュタットといえば、これですね~。まるで絵はがき。

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オーストリアの国花、エーデルワイスも。

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雨上がりの雫が、まるで宝石。

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午後7時頃、帰る頃にはまたお日様もでてきて。
帰りの電車では、美しいオーストリア湖水地方の風景を、胸いっぱい味わうことができました。
暑かったり寒かったり、極端な一日だったけれど(最近のオーストリアの天気を象徴しているような…)
ハルシュタットのいろんな表情を見ることができて、楽しかったです。

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ハルシュタットは人気の観光地なので、オンシーズンの今、観光客で溢れています。
日本の清里や湯布院のように、いわゆる観光地化されているのは、
ちょっと残念ながらも仕方ないこと。
860人の住民の皆さんの生活が守られつつ、世界中の人に恋され、愛される、
魅力的な場所であり続けてほしいですね。
余談ですが、今回はたくさんの旅人の方々とお話する機会がありました。
台湾からいらした2組の旅行者(女の子2人組と若いご夫婦)と、
それぞれ別々の場所でお話したのだけど、
皆さん、朴訥でふんわり優しくて可愛らしい、そんな印象で。台湾が好きになりました。
(逆に中国の方はチャキチャキで姉御肌。このキャラの違いは興味深い。
文化が根底から違う気がしました。)
台湾、いつか行ってみたいな。
旅先での出逢いも旅の彩り。
思い出すと、心がほっこり。
一期一会の出逢いに、アリガトウ。

ハルシュタット紀行 1 湖畔篇

世界一美しい湖畔の街と名高い、ハルシュタットにいってきました。
ウィーンから電車で4時間弱。
得意の日帰りです(笑)
朝5時半、朝陽に輝くウィーン西駅を出発。

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2本の電車を乗り継いで、ハルシュタット駅に到着。

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駅とハルシュタットの街は湖を隔てた対岸にあります。
駅から対岸の街までは渡し船で行くのですが、
のんきに駅からの風景を楽しんでいるうちに、船が出航してしまいました。
次の船は1時間後。
ああ、電車と船は連携していたのね…迂闊でありました。。

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朝(午前9時半)の澄んだ空気のなか、静かな湖のほとりで、
私と同じく、駅に取り残されたポーランド人、中国人、一人旅同士三人で語る。
こんな時間も、旅の醍醐味かもしれないね。
やがてやってきた渡し船に乗り込み。

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乗客は私たち三人だけ。
陽射しが強烈。

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船が動きだすと風が心地いい。
ハルシュタットの街が目前にせまってくる。
なんて可愛らしい街!

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ハルシュタットの人口は860人。
世界から観光客がやってくる、山あいの小さな小さな街。
ここが街の中心かな?
マルクト広場。

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ウィーンは、連日35℃を越える猛暑が続いていて、
エアコンもないし、あまりに暑過ぎて、避暑にハルシュタットに行こうと思いたったのに、
こちらは更に陽射しがきつくて、歩くのもしんどい。
カメラの液晶がよく見えないので、ヤケクソでシャッターを押す。
きっと紫陽花たちもヤケクソで咲いている(笑)

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街並みは素敵なのだけど、どうにも暑くて仕方なく、

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午後からお天気が崩れると聞いていたので、早めに山に登ろうと、
バスに乗り、ケーブルカー乗り場に向かうことに。 続

同郷の若き才能たち

夏休み、まだ日本には帰らず、語学学校に通いつつ、
ウィーンでゆったり過ごしています。
先日、語学学校の帰りに劇場に練習しにいったら、様子が変。
トイレや廊下に、日本語での案内の貼り紙が!
なんと、今日は日本の高校吹奏楽部がウィーン国立歌劇場でコンサートをやると!
私の楽屋の隣が高校生達の控え室で、制服姿の大阪弁の高校生で溢れかえっていた。
なんと不思議な光景(笑)
関係者の方に話を聞くと、ここ大阪桐蔭高校吹奏楽部は三年連続全国大会金賞を取っている、
向かうところ敵なしのブラスバンドらしい。
是非聴きにきてくださいと言われ、同郷(私は大阪出身です)のよしみで客席にいってみた。
うーん確かに上手い!それぞれの技量が高校生の水準の遥か上をいっているし、
アンサンブルも見事。
彼らが普段、どれだけの練習を積み重ねているのか、想像にかたくない。
楽屋の廊下でも時を惜しむようにグループごとに合わせていた。
私たちの劇場のオケは、普段、リハなしで本番を弾かねばならないことが多い。
それはもちろん何かを怠っているわけではないし、
そのシステムで世にも美しい音楽を作り上げられる底力を誇らしく思っている。
しかし、今日の高校生たちの音はその対極に位置するもので、
瑞々しく誠実なパワーに溢れていて、とても眩しく、私の胸をうった。
だから、ありがとう。素敵な演奏を聴かせてくれてありがとう。
多分、この子達はその世界のエリートなのだろう。
全員が全員音大に進むような雰囲気の部だ。優秀な音楽家もでてくるだろう。
そんな彼らの道の途中で、ここウィーンのオペラハウスで素敵な演奏をして、
たくさんの人にブラボーをもらった今日のことをずっと覚えていてほしい。
キラキラした彼らのゆく先にたくさんの祝福がありますよう祈りつつ、
私も大きな拍手を贈ってきた。