ウィーン国立バレエ「くるみわり人形」日本放映!

ウィーン国立バレエは、この二週間で「Tanzperspektiven」「マノン」、
「くるみわり人形」「Ballett-Hommage」という驚異の4本立てで公演しています。
ほとんど全員が全ての公演に出演。次から次へと「限界へ挑戦」のような日々。
今日は、トリプルビル「Ballett-Hommage」のプレミエを迎えます。
皆、本当に大変だけど、その瞬間を生きる舞台姿に、私も力をもらっています。
さて、先週開幕した「くるみわり人形」、今年もオケピでチェレスタを弾いています。
今年も発売とほぼ同時に、全10公演全席完売!!の、超人気演目です。
その『くるみ割り人形』、クラシカ・ジャパンで、明日放映されるそうです。
ウィーン国立バレエ、日本のテレビに初登場です!
クラシカ・ジャパン(Ch.736) 12/16 (月) 21:00 ~ 22:50
日本人ソリスト、橋本清香さんと木本全優さんも、葦笛の踊りで出演。
ウィーン国立歌劇場管弦楽団(ウィーンフィル)の演奏するくるみ、贅沢ですよね。
私もドキドキしながら金平糖を弾いています(笑)
日本の皆様にご覧になって頂けると嬉しいです。
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ことばの贈り物

誰かの何気ない言葉が、誰かの人生に大きな影響を与える。そういうことがあると思います。先月、リハでうまくピアノが弾けないループにはまり、毎日少しずつ落ち込んでいっていました。コンチェルトを抱えていたのが大きかったかもしれません。ピアノソロに集中するあまり、日々の仕事=バレエ伴奏でつまずいていました。誰かに何か言われたわけではない。でも、踊りと調和できていないという気持ちが溜まっていって。今日こそは!と毎朝思うのだけど、毎日玉砕して。

二年前、シルフィードを弾いていた頃のことを思いだしていました。毎日空回りばかりして、スランプに陥り、普通のことすらできなくなっていたあの時。「私がここで、皆の為にピアノを弾くことがダンサーにとって良いことなのかどうなのか」ネガティブになった時、こう自問自答してしまいます。ダンサーに直接聞くのも微妙だし、、

そんな折、監督が私にメッセージをくれたのです。コンチェルトを弾く本番前、私の部屋に届けにきてくれました。「僕のスーパースターピアニストのシノへ」から始まるお手紙。「大きな大きなハートを持った、素晴らしい芸術家のシノ」…と書かれてあって。彼はどんな気持ちで、私にこの言葉を綴ってくれたのでしょう。たまたまのタイミングだったかもしれません。でも、私を励まそうという気持ちもあったのだと思います。

人の希望や光になるような、大きなエネルギーを人に与えることができる、そんな人だからこそ、世界中の方に彼のバレエが愛されているのでしょう。スランプの時って、自分を見失っている時だと思うのです。不出来な私を信じてくれていたこと、「大丈夫」と自信を与えてもらったことで、また自然に弾けるようになったのです。以前よりもっと楽に!本当に大切なのは、自分を信じることなのかもしれません。もう、ネガティブな自問自答をするのはやめようと思います。人がその人らしく存在することの意義、美しさも教えてもらった気がしています。

また、二年前と違い、私には仲間ができていました。ピアニストの同僚、ダンサー、オペラコレペティの友人、、皆が助けてくれて。
人は一人では生きられない。生かされているのだな、と。人から貰って一番嬉しいプレゼントは、「想い」そのものなのかもしれません。愛のエネルギーはかくも大きな力を与えてくれる。

ここに導かれたことを、神様に感謝したいと思います。

$こころの音色

写真は、最後のコンチェルトを弾いた後、一緒に弾いたオーケストラの方に頂いた花束。ベルベットのような美しさをたたえた薔薇に、愛のエネルギーが溢れている。

心から感謝します。

無心に咲く

今シーズンもバッハピアノ協奏曲を弾いています。
3月に3回弾いているのに、11月、久しぶりの公演で出番直前までお腹が痛くて動悸が激しくて、
私はこんなところで何をしているのか、なぜ生まれてきてしまったのか、と思いつめていました。
だけど、本番ではドキドキもスーッと収まり、無色透明でただただ音楽のなかに存在し、
すべてに調和しているのを感じました。音楽って凄い。
嬉しいとか楽しいとか、そういう自分の感情からも一歩遠のき、
自分の心身を大いなる存在に捧げているような、
もしくは、大いなる存在が私の身体を通して音楽を奏でているような、
少し大げさだけど、例えて言うとそんな感覚でした。
$こころの音色
芸術は、崖っぷちに咲く花だと思います。
それを摘みにゆく勇気のある者だけが見られる景色があり、
伝えられる何かがあるのかもしれません。
今シーズンは既に3回弾き、残すところあと1公演。
12月3日が最終公演です。
「 Tanzperspektiven」
ウィーン国立歌劇場にて7時開演です。
コンチェルトで頂いたお花の一部。
$こころの音色
やっぱり、その存在自体が、神様というか。
$こころの音色
お花を通して、神様が世界の美しさを教えてくれているように思います。
こころの音色
祝福に満ちた、清らかさ。
こころの音色
言葉にするのも儚いほどの。
こころの音色
無心に咲く花に憧れる。