ピアノコンチェルトを弾きます!

ご報告です。
このたび、デヴィッドドーソン振付、”A million kisses to my skin”という作品で、
バッハのピアノ(チェンバロ)協奏曲1番d-moll 全楽章を弾くことになりました。
ずっと憧れていたピアノコンチェルトを、まさかのウィーンフィルと
ウィーン国立歌劇場で弾けることになるとは!
人生、本当に分からないものです☆
ウィーン国立バレエのピアニスト陣は、私以外勤続20年以上のとても素晴らしいピアニストばかりなのですが、私のようなぺーぺーの新人にこんなチャンスをくださった監督と同僚に、心から感謝しています。
お話を頂いてから一年、仕事の空き時間を練習に費やし、
昨年秋には、ライプツィヒにバッハのお墓参りに行き、ご挨拶をしてきました。
「私の肌に百万回のキスを」というこの作品の題名について、
振付のデヴィッドにお聞きしたら、
「この作品をステージで上演して、ダンサーと音楽と照明と観客と…
すべてがひとつになった時、私の肌に百万回キスして!!というほど、
幸福な時間になるに違いないから」とおっしゃっていました。
先日のステージリハーサルでも、幸福感を味わいながら弾いてきましたが、
周りの音をよく聞いて、空気を感じ、愛するダンサーたち、敬愛するオケの方と一緒に弾ける喜びを、その瞬間を、心ゆくまで味わいたいな、と思います。
愛をもって弾いてきます。
私が弾く公演は、3月3日、21日、26日。
初日まであと3日!!!
作品の1楽章がyoutubeにあがっていたので、よろしければ、ご覧になってくださいね。
音符が踊っているような、とても素敵な作品です。

オペラ座舞踏会開幕! ワルツ篇

舞踏会開演前篇に続き、いよいよ、オペラ座舞踏会オープニングの様子をお伝えします。
普段は2200人のキャパのウィーン国立歌劇場に、この日は5000人超のお客様が来場。
しかも、ボックス席は100万円近くの値がつけられているので、
ボックス席以外の客が、この華やかなオープニングショーを観るのは至難の業…
前日におこなわれたゲネラルプローベで全篇観てきたことだし、
私たちは、結局楽屋のテレビで見るのがいいのではないか、と話していました。
スポーツ観戦と同じ感覚で(笑)
しかし実際、客席から見てちょうど正面、舞台奥一列目に場所を取ることができたのです!!
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一列目からの眺め。圧巻。
なんという特等席!!!期待が高まります。
ファンファーレが鳴り響き、オーストリア国歌(初めて聞きました…)に続き、
ベートーヴェン第九の歓喜の歌(欧州連合(EU)の歌に指定されているそう)が奏され、
いよいよ、デビュタント達の入場です。
オペラ座舞踏会のメインは、なんといっても、このデビュタント。
今年、社交界にデビューする若者のお披露目の場が、このオーパンバル。
オーストリアではオーパンバルのデビュタントを小さい頃から夢見ている子達も多いみたい。
私もオーストリアに生まれていたら、間違いなく目指しただろうな(笑)
入場直前のデビュタント達。
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輝かしく、希望に溢れた顔が眩しい。
大きな拍手で迎えられて。
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そして、デビュタント達が全員入場したら、次はバレエ。
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ハチャトリアンの仮面舞踏会、ヨハンシュトラウスのポルカ2曲にのせて。
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私も稽古につきあっていたので、
この一瞬だけの本番をしっかり味わい、胸に刻みつけました。
そして、劇場専属ソロ歌手によるオペラアリア
(ムゼッタのアリア、ドンジョバンニのアリア、メリーウィドウから二重唱)。
オーケストラはもちろんウィーンフィル。
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ここでふと気づきました。
このオーパンバル、オーストリア国主催の唯一の催しにもかかわらず、
スピーチや挨拶、司会進行などが何もない。芸術だけで進行される祝典。
日本ではちょっと考えられないような。
一瞬一瞬、すべてを楽しめるし、粋だし、さすが芸術の都だな、と思った次第です。
バレエとオペラが終わったら、いよいよ、デビュタント達の踊り。
全員でポルカを踊り、
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オーストリア第二の国歌、「美しき青きドナウ」にのせて、
ワルツがお披露目されます。
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デビュタント達がワルツを踊り始めた途端、会場中から盛大な拍手。
この瞬間が本当に感動的で。私なんて前日のゲネプロから涙を流していたほど。
(ゲネプロなら去年も見たのに!笑)
皆の夢が叶う瞬間。なんて、なんて美しい国なんだろう。
そして、「Alles Walzer !!」のかけ声とともに、
皆がホールに躍り出て、デビュタント達と共にワルツを踊ります。
ちなみにオーパンバルでのワルツは左回り。右回りと違い、左回りのワルツステップは難しい。
幼い頃からワルツを踊って身体にしみついているウィーンっ子、しかも、オーパンバルに来るような人たちのなかで、即席特訓してもらった私なんて気が引けて踊れない、と思っていたのはどこへやら、我先にとホールに出て踊っていましたよね(笑)
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舞踏会での記念すべき初ワルツを一緒に踊ってくれたオリー、ありがとう!!
踊っていたというか、美しき青きドナウを一緒に歌っていたというか!笑
舞踏会に行って喉がかれるとか、おかしいでしょう!
楽しくて楽しくて、幸せ過ぎました。
(ちなみに、左手薬指に指輪が光っているオリーですが、結婚はしていません、彼女もいません、、
あとはご想像にお任せします笑)

時既に、23時を回っていますが、
ここから、飲んで踊って笑って、飲んで踊って笑って、
ウィーンの不夜城での宴は、朝5時過ぎまで続くのでした。
続く

オペラ座舞踏会デビュー 開演前篇

ウィーンの冬の楽しみといえば、舞踏会!!
この季節、オーストリアでは毎晩あちこちで、数百もの舞踏会が開かれています。
そして、その舞踏会のなかでも最高に華やかで格式高いのが、
ウィーン国立歌劇場の舞踏会(オーパンバル)。
国主催の唯一の催しで、世界中からゲストが来ることで有名です。
舞踏会なんていうと、私たち日本人には縁がなくて、おとぎ話の中のことみたいですが、
ウィーンの人は皆気軽にドレスアップして舞踏会にでかけます。さすがワルツの国ですね!
私もウィーンに住んでいるからにはバルに行ってみたい。
そして、どうせならオペラ座舞踏会でバルデビューを果たしたい!!
だけど、去年は「パートナーもいないし、、」と尻込みしていましたが、
今年は仲良しのオペラのコレペティの京子ちゃんが誘ってくれて、
晴れてバルデビューすることに!!
数週間前から、チケット(全員分ではないけれど、劇場勤務のアーティストは無料)、ドレス、ドレスのお直し、ダンスシューズ、美容院等、彼女と毎日のように連絡をとりあって、舞踏会までの日々をワクワクしながら過ごしてきました。リハーサルの合間には、ダンサーにワルツステップを教えてもらったりもして(笑)
2月7日、いよいよ舞踏会当日になりました。
朝からドキドキしながら、開演の夜22時を待ちます。
仕事しながらも、みんな舞踏会の話でもちきり。
(舞踏会ではバレエのパフォーマンスがあるので、カンパニーの皆にとっては本番当日なのですが)
仕事が終わってから、美容院に向かい、髪をセットしてもらって。
そして、一旦楽屋に戻って、ドレスに着替えて身支度を済ませ、
いざ、オペラ座玄関正面へ。
この日、私たちをエスコートしてくれた、京子ちゃんのお友達、オリーとルイズ。
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京子ちゃんと。
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氷点下、雪がちらつくなか、この格好はさすがに寒過ぎたけど、気合いで撮影(笑)
ロビーにはふんだんにお花が飾られて。
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見慣れた劇場が、夢のように美しい。
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歌劇場エントランス入ってすぐの大階段。
一年でこの日だけ、レッドカーペットが敷かれるのです。
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ちなみに、このドレスは、ウィーンで購入したもの。
ウィーンにはドレスを売っているお店がたくさんあって、サイズも大抵34から置いてあり、ドレス選びはとても楽しかったです。
私のデビュタントドレス、シンデレラをイメージして(笑)淡いブルー系のドレスに憧れたのですが、結局自分の一番好きな色、スモーキーピンク、会場負けしない艶やかなサテン地、華やかな装飾、そして、なんとなく着物を彷彿させるようなラインの美しさに一目惚れして、このドレスに決めました。(見覚えがあると思ったら、成人式の時の振袖と全く同じ色でした笑)
監督はじめ、皆に褒めてもらえたので、このドレスにして正解だったかな。
ちなみに、バッグは当日買いました(笑)
そして舞踏会会場へ。
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さあもうすぐ22時。いよいよ舞踏会の開演です。
続く。