アルプスの山へ

キッツビュール二日目。チロルに来たからにはアルプスの山に登らなくちゃね!キッツビュールは、アルペンスキーワールドカップ、ハーネンカム大会がおこなわれることでその名を世界に轟かせています。チロルの小さな街キッツビュールがヨーロッパの冬の社交場と言われる所以がここにあります。シーズンになると、劇場の食堂でもハーネンカム大会の中継に皆が見入っていて、その人気の高さが伺えます。本場オーストリアでのアルペンスキー人気は、日本でのフィギュアスケート熱と同じ感覚なのかな。

キッツビュールでは、キッツビューラーホルンとハーネンカムの二つの山へロープウェイを使って登ることができますが、今回はハーネンカムへ。街の中心地からハーネンカムバーンに乗ります。


こうして見ると、山あいの村といった趣


1658mハーネンカムに着きました!山の上は、完全に雪景色!ポカポカだった下界と大違い。


北海道出身で、山歩き愛好家の母に「チロルに行くのにどんな靴をはいていこう?」と質問したら、
「スニーカーじゃなくてブーツがいいよ」と言われたのです。さすが元祖山ガールの言うことは正しかった!


4月下旬、スキーシーズンは終盤、でも運営していました!

ちなみに、ハーネンカム周辺のリフト、ゴンドラ地図がこちら。
ハーネンカムから更にたくさんのリフトが出ていて、
かなり大規模なスキー場になっている。夏はハイキングコースとしても有名なのだそう。

kitzbuhel-piste-map

山頂に飾ってあった写真。1953年、キッツビュールのスキーチーム。

午前中だったけど、山頂でビール。絶景を前に飲むって幸せね(笑)

そういえば、子どもの頃は毎年長野や新潟にスキーに行かせてもらっていたな。でももう何年スキーをしていないんだろう。いつか、ヨーロッパアルプスで、キッツビュールでスキーしてみたいな、というのが夢のひとつに加わりました(劇場では冬休みがないので難しいのだけど…)

さて、ハーネンカムから降りて来たのがお昼過ぎ。今後の予定も今夜の宿も何も決めていません。五日間のイースター休暇の、今日は二日目で、ウィーンに帰ることもできるし、キッツビュールに残ることもできる。先々の予定が決まっていることが苦手で、その時の気分で行動したい私にとっては、このうえなく自由で心躍る時間。どうしようかな。旅日記は次回に続きます。

旅の原風景

新しいブログが嬉しくて、一日に何度も無駄に眺めてしまう。にやにや。
しかし、当然ながら、眺めているだけで更新はされない。書かねば!…しかし、こんなタイミングで手持ちのカメラの液晶が壊れて使えなくなってしまった。しょうがない。こんな時は過去を振り返ろうかな。まだブログに書いていなかった旅の記憶が色々あるので、残しておこうと思います。お暇な方はおつきあいくださいませ。

さて、私が初めて行った外国。それはここ、オーストリアでした。6歳の夏、三週間ほどオーストリアとスイスで家族と過ごしたのだけれど、幼い私を魅了したのは、豪奢なウィーンよりも断然、アルプス。美しくて雄大な自然に抱かれたハイジの世界に心奪われ、以来ずっと、旅の原風景として、心に在り続けました。そして去年のイースター休暇、ようやくアルプスを再び訪れることができたのです。

朝7時、ウィーン西駅を出発。

ザルツブルクでチロル州ゆきの電車に乗り換えると、右も左も絶景で大興奮!車窓からのぞむ景色はこんな!

ウィーンから約5時間。目的地に着きました。
アルプスの山あいの街、キッツビュール。

キッツビュールは、オーストリアアルプスの中でも最も古い高級スキーリゾート地。
ここが街の中心地。街はのどかな田舎の雰囲気のなかにも洗練された空気が。
首都ウィーンよりも素敵なセレクトショップがいくつもあったりね。

上の写真の真ん中に写っている聖母教会(Liebfrauenkirche)

散策します。空気が美味しくて美味しくて。

春爛漫

残雪もあるけれど、気温はもう20度近くあったかな。

今夜の宿に到着。私は一人旅の時は大抵、プール&スパつきのホテルに泊ります。一人だとあまり食事を楽しめないので、その代わりにスパを満喫するのです。旅の疲れも癒せるし、日頃の運動不足も解消しておきたくて笑。チロルの数ある街のなかからキッツビュールを選んだのは、魅力的な五つ星ホテルがいくつもあったからでした。
ホテル最上階のスパからのこの景色!なんて贅沢なのでしょう。

暮れゆくアルプスを眺めながら

気ままに泳いだり、サウナ上がりにうとうとしたり。うーん、贅沢。

アルプスの日没。心がしんとする…

灯りがともりはじめる黄昏時。

結局、スパが閉まる時間(9時頃だったっけ?)までここで一人でのんびりしていました。

その後、バーでウイスキーを頂き、星空を眺めて。アルプスの夜はゆっくり更けていきました。

さて、明日はロープウェイで山上に登ってみます。

Austria Trend Hotel Scloss Lebenberg Kitzbühel

あらためまして

私がインターネットに文章を綴るようになって10年。
日常や小さき軌跡、その時々の想いを残し、誰かと共有することで、たくさんの恵みを頂き、いつしか私の人生に欠かせないもののひとつになりました。しかし、時は移ろうものなのでしょう、いつの頃からか、以前書いていたブログが今の気分にそぐわなくなり、持て余し気味になってしまっていました。そんな折に再会した旧友、ベルリン在住イラストレーター、高田ゲンキ氏高田美穂子氏夫妻。お二人が指南してくれて、この度、新しくブログを開設することになりました。あれよあれよという間に、旧ブログからの引越業務も済み、いつの間にか新しいブログが出来上がっていたのです!デジタル音痴な私はほとんど何もしておらず、まるで瞬間移動したような感覚…。私一人では何もできなかった。新たな始まりという光を与えてくれた、デジタル最先端の優しき友人に感謝します。

というわけで、こちらでは、はじめまして。
これから、より自由に、より深く。
何かを残し、また、ここから生まれるものがあれば、と願っています。
あらためまして、よろしくお願いします。

さて、街に可憐な花が咲き乱れ、青空広がる春爛漫のウィーン。劇場では今週、バレエ”Tanzperspektiven“公演が上演されています。私はこの公演でバッハピアノ協奏曲1番を弾かせて頂いています。これを演奏するのは、1年半ぶり8回め。もしかしたら、これが最後かもしれない。でも、すべての瞬間は、最初で最後。今日と同じ明日は来ないのですよね。

同時上演される、チャイコフスキーヴァイオリン協奏曲を弾くのは、劇場が誇るコンサートマスター、フォルクハルト・シュトイデ氏。公演前日には稽古場でダンサーの為に協奏曲を弾いてくれたのですが、彼の演奏のあまりの豊かさに、ウィーンにいる幸せをひしひしとかみしめてしまいました。どうして私は、こんな音楽家と一緒に働けているのだろう。
私も、彼のように、愛と光に満ちたバッハを弾けますように。誰かの愛と光になれますように。

最終公演は、明日21日、ウィーン国立歌劇場にて19:30開演です。